まずは、やはりジャニーズ関連の話題から進めることにしよう。

私がジャニーズに所属していたのはもう20年以上前の話になる。冒頭にも書かせていただいたが、現在とは諸般の事情や実態が著しく異なることが予想されるので、ひとつの夢物語として読んでいただきたい。

昨今のジャニーズ旋風は目を見張らせるものがある。過去の歴史から見ても最高の黄金期であることは異論のないところであろう。今の私でさえ、恥ずかしながら血の滾る思いを隠せない始末である。

こうなると、ジャニーズに入れさせたい、入りたいと思う人々が溢れるであろうことは想像に難くない。しかし、その関門は恐ろしく狭いものである。

ジャニーズで成功するためにはいくつか避けて通れない大きな山が存在する。それは
・運
・向上心(または決意)
・努力
・運
この4つである。ここに「運」が2回出てくることによく注目していただきたい。これには明確な意味が存在する。順に説明していこう。

まずはじめの「運」であるが、これはオーディションに合格するための運である。私は昭和57年の1月17日にオーディションに呼ばれた。これは書類審査が通ったということを意味していた。オーディションの規模や内容はその時々により違いがあり、一部ではスカウトもあったようなので一概には言えないが、当時1日数百通にも及ぶ応募が事務所に届き、それを2〜3ヶ月溜めたものの中から数十人ほどピックアップする。私のときは70人ほどであった。その中から最終的に合格できたのは3人だったと聞いているから、確率的に言ってもこれは受ける側からしてみれば運以外の何物でもないのである。

次の向上心・決意であるが、ジャニーズは養成所を持たない。つまり、合格すなわち「プロ」として扱われるのである。もちろんほとんどの新人がはじめからダンスや歌ができるわけではない(いわゆるレッスンはダンスのみである)。しかるに初レッスン当日から常連たちとまったく同じメニューをこなせさせられる。レッスン自体は基本的に週1回日曜日に行われるのだが、その厳しさは尋常なものではなく、周りを追い抜きたい、絶対にスターになりたい、という強い意志がなければ到底ついていけるものではない。あわせて努力についてもここで触れるが、そういった環境の中にあって努力することはすでに最低限の基本なのである。ここで言う努力とは、努力の甘い者を逃さず追い抜き、同じように努力している仲間をも追い抜く独自の努力を指している。私自身、当時自費でジャズダンスレッスンを受けていた。また、いかに社長など上層部に気に入られるかという駆け引きも必要とされる。もちろんこれは子供にとっては過酷な要求かもしれないが、成功を掴み取るには欠かせないファクターだと言えよう。

最後に出てきた「運」とは、上記のことをすべてクリアした上で天が与える運のことである。才能や実力があっても世間のニーズがなければ成功はしない。また、仮にテレビなどに出たとしても、肝心のその番組の視聴率が悪ければステップアップの役には立たない。実はこの「運」こそが成功の鍵のすべてであって、これに見放されていたらそれまでの運も決意も努力もすべて水泡に帰すのである。これからジャニーズに入ろうとする人たちはこれらのことをよく踏まえたうえで覚悟を持って挑戦してもらいたい。ジャニーズは自分の青春のすべてをかけるに余りある魅惑の世界である。しかし、その栄光をつかめるのはほんの一握りの天に選ばれた人間である。

私自身は、一片の後悔もない。